唐沢寿明、主演映画『杉原千畝』の初日舞台挨拶・サプライズで感激 [映 画]
12月5日に、東京都・TOHOシネマズ日劇で、映画「杉原千畝 スギハラチウネ」の初日舞台挨拶が行われ、主人公の杉原千畝役の俳優の唐沢寿明さんほか共演者の小雪さん、小日向文世さん、塚本高史さん、やチェリン・グラック監督が登壇しました。
今作品は、第二次世界大戦中にリトアニアの日本領事館で外交官を務める杉原千畝さんが、ナチスに迫害されたユダヤ難民を救うためビザを発給し続け、およそ6,000人もの命を救った彼の半生をたどって描いた感動の伝記作品です。
◆舞台挨拶
舞台上に登場した唐沢さんは、観客に向かって「今日はこんなにたくさんの方においでいただき、ありがとうございます。感想は怖くて聞けませんが、感無量でございます」と冗談まじりで挨拶をした。
杉原千畝さんの妻を演じた小雪さんも、「去年の秋にポーランドで撮影していたことを、バックステージでしみじみ思い出しました。皆様のもとに公開されて、やっと終わったんだと実感しています」と自分の手元から飛び立った作品に対して感慨深く話した。また「この映画を通して、今の人生や戦争、いろいろな人々に思いを馳せるきっかけに、なって頂けたら嬉しく思います」と会場に呼びかけていました。
現在、杉原千畝さんの人となりを綴った資料や自伝がほとんど残っておらず、唐沢さんは役作りにも苦労したそうで「奥様の著書なんかでは、どちらかというと寡黙で優しい人というイメージでしたが、残っている肉声を聞くと『外務省をクビになっても構わない』とか、熱い面もあったんです。ですが、本当の杉原さんは誰にもわからない。それを演じるのに苦労しましたね」と明かした。
さらにグラック監督は「自伝を書いていないことが、ヒントかもしれない」と語り、「自分が正しいと思ったことをやり遂げ、『俺はこんなことをやったんだ』と威張ったりしない人というのが、私たちの解釈でしたが、それは当たっているかもしれないです」と唐沢さんの意見に賛同。
唐沢さんとリトアニアで一緒に撮影をこなしていた小雪さんが、普段のよくしゃべる唐沢さんとの違いを話し「本当に寡黙で。こういう一面もあるんだと。良い作品にしようと、一生懸命応えようとしている姿を間近で見せて頂きました」と唐沢さんの役柄に真摯に受け止めていた姿を明かした。
小日向さんも小雪さんの話に同調して「物静かでした。いま思えば役に入っていたんだなと」とコメントした。
今回のイベントにサプライズゲストのシルビア・スモーラーが登場しました。彼女は、福井県敦賀市経由でアメリカに亡命し、医学博士となり。その後、再来日し、杉原千畝さんからのビザを、彼の故郷である岐阜県八百津町に寄贈したという、歴史の生き証人です。
シルビアさんは「杉原千畝さんは命の恩人です。私だけではなく、私の家族の命も救ってくださった」と心から感謝し、映画の中の唐沢さんについても「本当に素晴らし演技でした。杉原千畝さんは、多面的な方で、感情が敏感な方だったと思います。唐沢さんがそこを演技でよく表現してくださった」と話した。
唐沢さんは、今回の出会いに感激し「ありがたいです。こうしてお元気で、おられるというのは、杉原さんはすごい人だったんだと改めて実感します。リトアニアに行くと、みなさん杉原千畝さんをご存知なのですが、日本では、まだまだ知らない方が多いと思いますので、是非、知っていただければと思います」と訴えていました。
◆作品情報
映画『杉原千畝 スギハラチウネ』
公開日:2015年12月5日(土)
上映時間:139分
配 給:東 宝
◇キャスト
杉原千畝:唐沢寿明
杉原幸子:小雪
大島浩:小日向文世
南川欽吾:塚本高史
大迫辰雄:濱田岳
根井三郎:二階堂智
菊池静男:板尾創路
関満一朗 :滝藤賢一
大橋忠一:石橋凌
ペシュ:ボリス・スジック
イリーナ:アグニェシュカ・グロホウスカ
ニシェリ :ミハウ・ジュラフスキ
グッジェ:ツェザリ・ウカシェビチ
ユダヤ人母:アンナ・グリチェヴィチ
ガノール社長:ズビグニェフ・ザマホフスキ
ローゼンタール:アンジェイ・ブルメンフェルド
ヤン・ズヴァルテンディク:ヴェナンティ・ノスル
マラット:マチェイ・ザコシチェルニ
◇スタッフ
監 督:チェリン・グラック
脚 本:鎌田哲郎、松尾浩道
音 楽:佐藤直紀
協 力:NPO法人杉原千畝命のビザ
配 給:東宝
制作プロダクション:シネバザール、AKSON STUDIO SP.Z.O.O.
企画・製作幹事:日本テレビ放送網
製 作:「杉原千畝 スギハラチウネ」製作委員会
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