『コンピュータ将棋プロジェクト』が終了宣言! [エンタメ]
2015年10月11日に情報処理学会がプロジェクトの目的が達成されたと判断し「コンピュータ将棋プロジェクト」の終了を宣言しました。
2010年に情報処理学会の創立50周年記念としてプロジェクト「コンピュータ将棋『あから』強化推進委員会」を立ち上げ3年を目標にトッププロ棋士との対局を実現し、勝利を収める事を目指して発足し、日本将棋連盟に「挑戦状」を突き付けました。
2010年10月11日に清水市代女流王将とプロジェクト側のコンピュータ将棋「あから2010」が対局し、見事「あから2010」が勝利した。その後もプロ棋士とコンピュータソフトが対戦する「電王戦」でもコンピューター側が通算10勝5敗の成績を収めています。
プロ棋士とコンピュータソフトとの対局でもコンピュータ側が互角以上の結果を残している。その後、ここ数年の対局データを見てコンピュータが勝ち越す可能性が高いとの分析結果が出て、コンピュータソフトの実力は現時点でトッププロ棋士に追い付いていると判断。
さらに情報処理学会では、ここ数年の対局データーを元に独自に「レーティング」という実力の指標になる数値を算出したところ、最強のコンピュータソフトの実力は2014年7月の段階で、プロ棋士A級10人の平均を上回り、勝利率を推定したところ、なんと63%。
2015年2月にはプロ棋士の中で最もレーティングが高い羽生善治四冠と並んだという事で、情報処理学会は「事実上プロジェクトの目的を達成したと判断し、プロジェクトを終了する事をここに宣言させて頂きます」と プロジェクトの終りを発表した。
プロジェクトの責任者の「公立はこだて未来大学」の松原教授は「羽生さんとの対局が実現していないのは残念だが、数年後には人間が全く相手にならなくなるのは確実で、人間との対決を掲げたコンピュータ将棋開発の時代は終わったと考えている」と語った。
そして日本将棋連盟は「ここ10年ほどのコンピューターソフトの進化には目をみはるばかりで、研究者や開発者の情熱と能力に敬意を表します。現在はプロ棋士もコンピューターソフトを研究ツールとして活用しており、これからも技術向上の手助けをしてくれるパートナーとしてよい関係性を持続していきたい」とコメントを残している。
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